ITプロジェクトは、どんなに優れたPMがやっても失敗することは多々あります。
私も、これまで多くのITプロジェクトに携わってきましたが、失敗の方が多いです。
では、なぜITプロジェクトは失敗するのでしょうか。
今回は、これまで多くのITプロジェクトを経験してきた私が分析した結果をお伝えします。
・プロジェクト計画ができていない
・過去に成功したITプロジェクトをまんま真似している
どの理由も、当たり前じゃん!なことを言っていますが、意外とできていないんです。
後ほど各理由を詳細に説明し、対策まで話ますが、どの理由も問題なくクリアしている方は、今以上の活躍ができるプロジェクトマネージャー(PM)として、より高年収のポジションを目指してみてはいかがでしょうか。
要件定義が曖昧で、何をすべきかわからない
要件定義ができていないことに問題が山積みになる
ITプロジェクトは、「何を何のために、誰のために開発するのか」を定義する要件定義フェーズで、目的と背景を固めずに進めることがよくあります。
その結果、下流工程(設計や製造)で仕様変更が多発していきます。
理由は単純で、目的が決まっていないので、仕様が固まらず、これ違う、これも違うとなるからです。
こうなると、もはや誰も正解がわからず、チーム全員で路頭に迷い、本来やりたかったこともわからなくなり、求めた効果も出ないまま終わることがほとんどになります。
場合によっては、コストも溢れ、リリースも遅れます。
要件定義ができていない時の対処法(あくまで暫定)
恒久対応は、プロジェクトごとに変わるので、ここでは割愛します。
暫定対応としては、下記のいずれか、または掛け合わせでやることで、対処が可能です。
- ボトルネックになっている課題と問題を全て書き出してから対策の計画を立てる
- プロジェクトの目的に立ち返り、やるべきことと、そうではないことを分ける
- 当初に決めた要件とのずれを可視化する
この3つの施策は、要件定義ができていないことに起因した場合に、まずは何をするんだっけ?を再整理するために考えます。
その上で、プロジェクト計画と照らし合わせて計画を修正します。
プロジェクト計画ができてない
要件定義はできているが、なぜかプロジェクトの進捗がうまく行かない場合に多いのは、「プロジェクト計画が破綻している」です。
プロジェクト計画が破綻しているケースは、次の3つに大きく分類できます。
- 作業内容に抜け漏れがあり、追加作業が多発する
- スケジュールが作業量にマッチしていない
- 作業見積もりが正しくない
多くの場合は、このいずれか、または全てが併発しているケースだと思います。
この場合は、作業内容の洗い出しをしてWBSを作り、スケジュールの見直しをすることが一番効果的です。
この時の注意点は、リカバリをさせるために、作業を並列化したり、無理にスケジュールを縮めないことです。
焦りがあることはわかりますが、その行為は逆効果となるので絶対にやめましょう。
作業見積もりが正しくないに関しては、これまでの実績や作業進捗を考慮し、再度見積もりをしましょう。
とはいえ、「遅延したりした場合にどう立て直しをするか」ですが、次のようにストーリー立てて考えると、関係者も理解してもらいやすくなります。
- 本来のスケジュールと再整理したスケジュールを対比させることで、状況の説明を行う
- 再整理したスケジュールを基に、再発防止策を説明する
- 再整理したスケジュールからの短縮案を提示する
- 短縮案を実現するために必要な、コスト、人材、時間(納期延長)を相談する
- この時、プロジェクトのQCDをどの順番で大切にするかによって、短縮案は説明すると効果的
上記の順番で、今の状態→最大の延長スケジュール→短縮したスケジュール(プロジェクト全員で合意したもの)と決めることができるので、無理のない立て直し計画を説明することができます。
過去に成功したITプロジェクトをまんま真似している
意外と多い間違いがこれです。
自分が担当するプロジェクトと類似するプロジェクトが過去にある場合、それを真似ることです。
同じプロジェクトなんだから真似るがいちばん効率的で確実だろう、と思うかもしれません。
でも、「同じ」なんてあり得るのでしょうか?
成功したプロジェクトと、同じメンバー、同じスキルレベル、同じ環境、これが揃うことがまずありえません。
プロジェクトマネージャーも異なれば、スキルレベルも違う、メンバーも違うのであれば、同じようにプロジェクトを計画したとはいえ、成功するとはいえません。
プロジェクトに合わせて、プロジェクトマネージャーが計画は作るべきなのです。
プロジェクトマネージャーによって、描かれるプロジェクト計画は変わりますし、進め方、考え方も異なるでしょう。
プロジェクト計画に、正解はありません。
プロジェクトマネージャーが自由に描き、コントロールし、作り上げるものがプロジェクト計画でありその人の成果(作品)となるわけです。
参考にするのは、効率的なのでいいでしょう。ただ、100%同じは辞めましょう。
プロジェクト崩れの炎上は、立て直しができる
前述したように、プロジェクトが炎上するにはさまざまな理由があります。
その理由に応じて、冷静に対処ができれば炎上したとしても必ず鎮火して解決することができます。
原因は、要件定義不足なのか、プロジェクト計画の破綻なのか、過去プロジェクトの真似なのか、を見極めて対処をしていきましょう。
プロジェクトマネージャーとして、チームメンバーとして炎上にも対応が既にできている人は、より上を目指してみてはいかがでしょうか?
市場にはプロジェクトマネージャーが枯渇しています。
どんなプロジェクトでもコントロールできるのであれば、高年収の仕事をできることでしょう。
転職に興味があれば、こちらの記事もご一読ください。
【成功の実体験】高年収のプロジェクトマネージャーになりた人向けおすすめキャリアプラン | 黒猫のプロマネ塾 (promane.xyz)