多くの炎上プロジェクトを鎮火してきたPMが教えるしんどいプロマネを救う3つの方法

・炎上しているプロジェクトで疲弊している時にすることがわかる
・炎上していることが悪いことではないと、気付ける
・炎上した時は、諦めるのではなく、どうすればいいか、のマインドを持つことができる

ITプロジェクトやソフトウェア開発は、企画時点では見えない要素が多く、100点満点のプロジェクト計画もタスクの洗い出し(WBS作成)も、絶対にできません。

そのため、計画に沿って柔軟な進行管理は必須となります。

しかし、プロジェクトは、状況が日々変わったり、不足の事態や、周りからの影響、チームメンバーの体調不良など、さまざまな要因を受け遅延しプロジェクト崩れ(計画の破綻)が発生してしまいます。

そのプロジェクト崩れが、炎上プロジェクトへ繋がっていきます。

今回は、その炎上プロジェクトが起きた時に何をすべきかをプロジェクトマネージャー(PM)目線で話をしていきます。

炎上プロジェクトの時にやるべき3つのこと

炎上プロジェクトは、誰しも嫌です。なぜ嫌なのか。

それは、『予定外のことが起きて、何をしたらいかわからない』『何をしても上手くいかない』『ステークホルダーや上司、プロジェクト関係者に怒られる』からですよね。

でもそれは目先のことであり、炎上プロジェクトを鎮火し、見事リリースまで持っていければ、評価は逆に上がります

それは、それだけ炎上プロジェクトが難しいからです。

炎上プロジェクトとなった時にやるべきことは、次の3つです。

これさへできれば、炎上プロジェクトは怖くありません。

  1. 炎上プロジェクトであっても、ゴールを定める
  2. QCDのうち、いちばんボトルネックは何かを見定める
  3. チーム全員で、認識をそろえて再出発する

では、少し細かく話しましょう。

炎上プロジェクトであっても、ゴールを定める

まず最初にやるべきことは、ゴールをチームそして関係者に示すことです。

これは間違っていても、目先のゴールでも構いません。

炎上プロジェクトは大抵の場合ゴールを見失っています。もしくは、見失っていなくても計画通りに進めなくなっている状況です。

その状況を打破するためには、目先のゴールと別の進み方を提示しましょう。

この時に有効な手法は、計画とは違うことを選択すること、です。

計画と同じだと、余計に燃え上がる可能性があるので、違う角度からプロジェクトを見て、本来のゴールへ繋がる道と方法を考えましょう。

この時原因分析はまだやらなくていいです。

それよりも大事なことは、まずはどうすればゴールへ再度道を繋げることができるか、です。

それがチーム全体の安心感を作り、鎮火に繋がります。

QCDのうち、いちばんボトルネックは何かを見定める

ゴールを定めた次は、原因分析と対策をします。

炎上プロジェクトは、品質(Q)に問題があるか、コスト(C)が誤っていて不足しているか、納期(D)に間に合わないか、が主な原因だと思います。

ほとんどが計画時に、納期を優先して品質を下げている(やるべきことを減らしている)か、コストを下げるために、品質を捨てている(やるべきことを減らしている)ことが多いです。

この場合の対策は、むやみに人を投入するのではなく、プロジェクトの現状を落ち着いて見ることです。

多くの場合は、『品質がネックとなり納期遅延』が起きています。

この時は、『品質』が指すものを特定しましょう

設計漏れが多いのか、ソースコードが悪いのか、テストが不足しているのか、などです。

いずれの場合も、打つべき手段は、その原因をどうすれば改善できるか、が大事です。

人を投入するのは、その後の話です。まずは原因に対して、どうすればその原因を取り除けるか、を検討し、対策プランを立てるべきです。

ここの工程をやらずに、人を投入して、さらなる炎上を生むことがあります。

やるべきことが見えてないのに、人だけ増えて、むやみやたらに費用を垂れ流して、そしてさらに燃え上がらせる。

これだけは、プロマネ(PM)として死守して辞めましょう。しんどいだけです。

チーム全員で、認識をそろえて再出発する

ここまでで、ゴール、そして原因と対策プランが出来ました。

最後は、対策プランをチーム全員で共有しましょう。

大事なのは、チーム全員で、というところです。

炎上プロジェクトは、特定の人が原因で起こることもありますが、チームで進めていることなので、チーム全員でカバーすることが大事だからです。

またチームで共有することで、これまでの工程で悪かった点などもこの時に一緒に振り返り、再出発の時には、再発しないようにしましょう。

炎上プロジェクトは、しんどいです。プロマネ(PM)も、チームメンバーも、みんなしんどいです。

だからこそ全員でゴールに向けて再度進みましょう。

それを牽引したり、後ろからみんなの背中を押すことが、プロマネ(PM)として一番の価値発揮にもなります。

しんどい時にこそ、チームを信じることがプロマネ(PM)の最大の仕事です。

何より、チームメンバーは、炎上プロジェクト=失敗プロジェクトと思っています。

プロマネ(PM)が、そのチームメンバーを守ってください。

炎上プロジェクトは、失敗ではなく、たまたま計画ができていなかっただけです。

このできていなかったことを、ゴールにまで導き、全員でゴールしたら、問題ないのです。

炎上プロジェクトでやってはいけない3つのこと

炎上プロジェクトは、心的疲労も多く、さらには人間関係・信頼関係も壊してしまいます。

炎上プロジェクトでは、やってはダメなことがあります。

  1. 犯人探しをする
  2. 原因を特定せずに、目先の事象解決のみを行う
  3. 何もせずに諦める

では、詳細を話していきます。

犯人探しをする

前述でもあったように、炎上プロジェクトは誰か特定の人で起きたとしても、チームでやっている以上、チーム全員でカバーすべきなのです。

きっと、チームメンバーの中でも自分が原因で炎上してしまったと思ってる人は少なからずいます。

それを特定して、吊し上げてもいいことはありません。むしろ時間の無駄です。

ITプロジェクトは、チームでやる仕事なので、チーム内の人間関係や信頼関係があってこその品質とも言えます。

誰かを犠牲にして、得られる信頼や評価は、もろく儚いです。

炎上プロジェクトを解決するためには、チームは大事です。

プロマネ(PM)は、チームメンバーを守りましょう。

原因を特定せずに、目先の事象解決のみを行う

原因特定をせずに、目先の事象解決を行うことはやりがちです。

例えば、テストがこなせていないから、人員を増やしてテストをこなす。

一見意味があるように見えますが、本質の対応にはなっていません

なぜなら、テストが”こなせていない”、原因がわからないからです。

人が足りていない(見積ミス)なのか、予定通り進捗はしていたものの障害が多くてその修正が間に合わないのか、など原因によって動き方が変わります

目先の事象解決は、さほど意味がないので、落ち着いて原因と対策プランを考えましょう。

急がば回れ、です。

何もせずに諦める

炎上プロジェクトを起こしたプロマネ(PM)は自信を失い、目的を見失い、諦めてしまうことも少なくありません。

そのため、プロマネ(PM)が交代することが多いのです。

炎上した場合は、プロジェクトマネジメントの難易度が上がります。

それは、短納期で品質を改善し、納期遅延は最小限で、コストはかけずに、プロジェクトをコントロールしなければならないためです。

そのため炎上プロジェクトにおいては、対応した数だけ経験値となり、その後のプロジェクト運用の安全性を上げ、安定したプロジェクトマネジメントができるようになります。

炎上プロジェクトになったからと諦めてしまうのは、3秒あればできます。

諦めないことは、しんどいですが、そこで得られる経験は、その先で価値あるものとなり、年収へ繋がるので、諦めずにやりましょう。

炎上プロジェクトは、しんどいが、失敗ではない

さて、今回は炎上プロジェクトのしんどさから逃げたくなる方に、炎上プロジェクトが起きた時にどうするかを説明しました。

炎上プロジェクトは確かにしんどいので、チーム全体で解決していくことがおすすめです。

そのためには、自分自身がプロマネであることを自覚し、一緒にチームメンバーと頑張っていく姿勢を見せて、助け合いましょう。

プロマネを経験したら、コンサルタント、社内SEなど高年収の転職なども目指せますので、ある程度経験したら次のステップへ上がるのもいいでしょう。

転職するときに、プロマネって何するの?などはこちらの記事を読んでみてください。
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